第8号(2006/06/10発行): 経営コンサルティング、教育研修、外国語関連サービス、地域活性化支援のアーリー・バード

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第8号(2006/06/10発行)

【日本人旅行者のリピーター化】
サービス業のマーケティング(従業員満足と顧客満足)

サービス業のマーケティングというコンセプトをご存知ですか。そこには、
サービス業を営む『企業』、その企業の従業員である『サービス提供者』、
そして『顧客』が登場します。その三者間に、それぞれ異なるマーケティングが
存在します。


『企業』―『顧客』間
この両者間に存在するマーケティングを、エクスターナル・マーケティング
(External Marketing)と言います。Externalとは外部という意味で、企業が
外部の顧客に対して働きかけるマーケティングなのでこのように呼ばれています。
具体的には、広告、キャンペーンなどの企業が顧客に対して実施する販売促進
活動などを指します。


『企業』―『サービス提供者』間
この両者間に存在するマーケティングを、インターナル・マーケティング
(Internal Marketing)と言います。Internalとは内部という意味で、企業が
内部の従業員(サービス提供者)に対して働きかけるマーケティングなのでこの
ように呼ばれています。具体的には、企業としての経営理念や戦略を伝えたり、
人事制度を通じてモチベーションを引き出したりすることなどを指します。
従業員満足は、主にこの関係において生じます。


『サービス提供者』―『顧客』間
この両者間に存在するマーケティングを、インタラクティブ・マーケティング
(Interactive Marketing)と言います。Interactiveとは相互作用という意味で、
サービス提供者である従業員と顧客との相互作用を通じて提供されるので、
このように呼ばれています。具体的には、会話を通じて顧客ニーズを引き出し
たり、競合他社情報を仕入れたり、関連する製品・サービスを勧めたりすること
などを指します。ここで提供されるのが、サービス業のサービスそのものです。
顧客満足は、主にこの関係において生じます。


ホテル旅館であれば、ホテル旅館から顧客に送るDM、キャンペーン、メール
マガジンなどがエクスターナル・マーケティング、経営者が従業員に自社の
経営理念や戦略を伝えたり、あるいはインセンティブ・プランによって
モチベーションの向上を図ったりすることなどがインターナル・マーケティング
になります。


インタラクティブ・マーケティングは、フロントや食堂などで従業員が顧客との
交流を通じて提供するマーケティングで、細やかな気配りで顧客満足を高めたり、
会話の中から顧客の潜在ニーズを引き出したり、さり気なく追加オーダーや
土産物を勧めることなどが該当します。


インタラクティブ・マーケティングがサービス業において果たす役割は大きく、
実はサービス業のサービス自体の大部分は、『サービス提供者』と『顧客』の
二者間の関係において提供されています。しかも、企業または経営者が直接的に
この関係に影響を及ぼすことには、限界があります。サービス業の現場で日常的に
起こっている従業員と顧客のやり取り全てに経営者が目を光らせることは不可能
です。


『企業』がインタラクティブ・マーケティングにおける『従業員』の姿勢に影響を
与えることができるのは、あくまでインターナル・マーケティングを通じてだけ
です。正しい経営理念や戦略を伝え、人事制度やインセンティブ・プランによって
努力や労働とリターンの関係が明確にできれば、従業員の姿勢や考え方が変わり、
行動が変わります。満足している従業員でなければ、顧客を満足させるレベルの
サービスを提供することはできません。つまり、社員満足が顧客満足を生み出す
ことになります。


ここで、卵が先か鶏が先かという問題が出てきます。インタラクティブ・マーケ
ティングが上手く機能して業績が上がるからそれを原資としてインセンティブ・
プランを設けることができるのか、先にインセンティブ・プランを設けて従業員の
頑張りを引き出し、その結果として業績が向上するのか。経営者としては、前者が
好ましいですが、それでは、インタラクティブ・マーケティングが上手く機能する
ためのトリガーがありません。非常に悩ましい問題です。


これを克服するために、私が顧問先などでお話しするのは、夢の手形です。お金が
ないときに切るのがいわゆる手形ですが、現状ではなかなか夢が持てないときに
切るのが夢の手形です。経営者が従業員に対して、経営理念や戦略をしっかり
説明して、この戦略をきちんと実行すれば夢のある明るい未来が開けていることを
納得してもらうのです。


決して簡単なことではありません。納得してもらうためには、納得性の高い
ビジネスプランである必要があります。それなりの完成度のビジネスプランでも
従業員は理解を示すかもしれません。また、プランの良し悪しに関わらず、
経営者の圧力に屈して納得した振りをするかもしれません。


しかし、理解や納得した振りと、心からの納得ではプランの推進力が違います。
遠回りでも、時間がかかっても、心からの納得を得ることにより、それがトリガー
となってインタラクティブ・マーケティングにおける従業員の考え方、姿勢、
そして行動が変わり、それによって業績が向上するという好循環が始まります。


ついついエクスターナル・マーケティングに目が行きがちですが、中長期的な
視点からは、リピーター化、口コミという効果をもたらすインタラクティブ・
マーケティングを、インターナル・マーケティングを通じて改善することも
非常に重要であることを忘れないで下さい。

次の第9号では、【外国人旅行者受入】チェックイン時の単語と会話について、
その次の第9号では、【日本人旅行者のリピーター化】 産業観光について、
ご紹介する予定です。


【編集後記】
このメルマガが当社メールマガジンの最初のタイトルですが、この度、他の
ジャンルのメルマガを始めました。
『我以外皆師なり』は、現場や日常の中で発見した知恵や工夫のうち、他の業界
でも幅広く活用できそう普遍的な知恵を紹介するメルマガです。
『昨日の英会話』は、英語ネイティブである当社スタッフGrantと私の日常会話
から、私が言いよどんだり、言い表し方に困ったりした表現をお届けする
メルマガです。
『起業時も備えあれば憂いなし』は、起業して約半年を迎えようとしている私が、
「こんな準備は先にしておけばよかった」という反省や、実体験に基づく話を
今後起業される方の参考までに紹介するメルマガです。
どのメルマガもこのメルマガほど長くなく、1回1回読みやすくすることを心掛けて
書いています。宜しければ、是非、当社ホームページのメルマガページからご登録
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