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第11話(2006/08/21発行)

第11話 鹿せんべい

夏休みに鹿で有名な奈良公園に行ってきました。記憶が定かではありませんが、
少し前まで100円で、ずい分前には50円だった鹿せんべいが150円になっていました。
150円でかわいらしい鹿とのスキンシップが楽しめるのであれば安いものなので
ついつい買ってしまいますよね。

ところで、鹿せんべいの素晴らしいビジネスモデルにお気づきでしょうか。
誰が鹿せんべい発売を思いついたのかわかりませんが、もし鹿せんべいがなければ、
公園管理者は人を雇って、餌を買って、鹿に餌を与えなければなりません。

しかし、鹿せんべいのおかげで、観光客がお金を払って鹿せんべいを買って
それを鹿に与えてくれるので、公園管理者は餌を与える必要はないか、あるいは
量を補うために与える必要があってもその負荷はずい分軽減されている筈です。

観光客は喜ぶ、奈良公園の名物になる、餌を与える人材を雇わなくていい、
鹿せんべい販売は土産物屋がついでにしてくれる、餌代は観光客が支払ってくれる
上に収益を他の公園管理事業などに回せる…と一石何鳥にもなる素晴らしい
ビジネスモデルだと思います。

同様のビジネスモデルは鹿せんべいに限らず他の動物への餌やりや、農作物の
収穫体験でも見られます。農作物の収穫体験も、本来であればお百姓さんが自分達で
しなければならない収穫という仕事を、都市部から来た観光客が喜んで代わって
やってくれる上に、お金まで払ってくるという素晴らしいビジネスモデルです。

このビジネスモデルの根底にあるのは、『ある人にとってはお金をもらってする
仕事(苦)であることが、別の人にとってはお金を支払ってでもしたい趣味(楽)
である』ことです。これを上手くマッチングすることによって、このビジネス
モデルは成立しています。

この視点を持って、ご自分の周りを見渡してみれば、鹿せんべい型のビジネス
モデルを見出せるかもしれません。


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