第12話(2006/08/28発行): 経営コンサルティング、教育研修、外国語関連サービス、地域活性化支援のアーリー・バード

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第12話(2006/08/28発行)

第12話 居酒屋のお得な定期券

東京に出張した際、昼食を食べに入った居酒屋で面白い貼紙を見つけました。

お得な定期券
1,050円で発売から1ヶ月間、何度来店してもファーストドリンク無料

という内容でした。

その店の周辺にも多くの居酒屋があります。多くの選択肢の中で、自店を選択して
もらうのに、この『お得な定期券』は非常に有効だと思います。

先ず、このサービスの優れている点は、入口の敷居の低さにあります。ファースト
ドリンクで生ビールを頼むと500円程度はかかります。『そこにもう500円足せば
1ヶ月間ファーストドリンクが無料になる、1ヶ月間に何度来られるか分からないが、
少なくとももう1回来れば元は取れる』という思考が働くはずです。ついつい買って
しまう絶妙な価格設定ではないでしょうか。

『お得な定期券』を買ったとします。会社帰りに飲みに行こうかという話になった
とき、女性の場合はどこに行くかは非常に重要だと思いますが、男性の場合は一定
水準をクリアしていれば特に場所は重要ではないと思います。この居酒屋は女性を
ターゲットにしていないことは外見からも分かります。ターゲットは男性サラリー
マンです。店選択において、その日飲みに行くメンバーの一人が『お得な定期券』
を持っていれば、そこに行こうという話しになるでしょう。そして、持っていない
他のメンバーに買うことを勧めさえするでしょう。

果たして、採算はどうかということですが、居酒屋というビジネスは客席稼働率、
回転率、客単価で決まります。このサービスは、客単価をファーストドリンクの分
だけ犠牲にして客席稼働率を高める効果があります。ファーストドリンク無料券を
街角で配っている飲食店もあるくらいですので、ファーストドリンク無料分程度は
稼働率向上によって吸収できると考えられます。しかも、この定期券の場合は、
最初に1,050円もらっており、無料ではありません。

たくさん来る人はファーストドリンクの単価がどんどん下がって行きますが、その
分だけ稼働率向上に貢献してくれていることになります。あまり来ない人は稼働率
向上には貢献してくれませんが、その方のファーストドリンクの単価は定価並みに
高いということになります。1ヶ月間に10回来ればファーストドリンクの単価は
105円ですが、1回なら1,050円、2回なら525円、3回なら350円とほぼ定価と変わり
ません。

このサービスは、飲食店であれば幅広く活用することが可能ですし、飲食店以外でも
可能だと思います。例えば、駐車場が有料である施設の『駐車場1時間無料定期券』
とか。

ポイントは、
・関連購買に確実に繋がること(居酒屋の場合は、2杯目以降や食べ物など)
・お客様さえ行こうと思えば期間内に繰り返し何度でも行けること
・競合が激しい(お客様にとって他の選択肢が多い)こと
です。


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