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第18話(2006/11/06発行)
第18話 Priceless
第16話で高価格追求という話をさせて頂きました。今回は、某カード会社のCMで
キャッチコピーとなっているPricelessについてお話しさせて頂きたいと思います。
先日、大学時代の後輩の別荘に招待されて行ってきました。広いリビング、広いバル
コニー、広い庭に数台の二段ベッドと来客をもてなすために作られたような別荘で
した。
9月初旬の標高約1,500mの高原でしたので、夜、ベランダでBBQをしていると正に1年を
通して最高の時期に来られたと思いました。BBQでも準備から焼き番まで全て別荘の
オーナーがしてくれ、メニューもステーキ肉、茄子の丸焼き、プチトマトの丸焼き等
趣向を凝らした料理でした。
翌日の夕方、庭にドラム缶風呂を据えて入れてもらいました。敷地に隣接して小川が
流れているのですが、その別荘のオーナーがその小川の近くにドラム缶風呂を据え
て、そのドラム缶に川の水を汲んで、30分以上かけて適温にまで温めてくれました。
彼は先に私を入れてくれました。正に筆舌に尽くし難い、Pricelessな体験でした。
15~20分間ほど楽しませてもらった後、『代わろうか』と言うと、彼は『自分は入り
ません。ゲストに入って楽しんでもらうだけで自分は幸せです』と言いました。
私にどういう変化が起きたかと申しますと、その後輩に改めて惚れ直しましたし、
また行きたいと思いました。値段が付けられないということ、お金に変えられない
ということは正にこういうことではないでしょうか。
ホテルオークラのおもてなしの基本方針は『親友を迎える心』だと聞いたことがあり
ます。特に見返りを期待しない、このもてなしこそが、どんなテクニックをも上回る
最高のもてなしだと思います。
図らずも、その後輩はこう言いました。『ゲストが喜んでくれるその笑顔が僕への
ご褒美です』と。くさいセリフですけど、胸を打たれました。難しいことですが、
サービス業でこのような文化を醸成・浸透させることが出来れば、成功は約束された
ようなものではないでしょうか。
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