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第29話(2007/3/19発行)

第29話 プライシング

マーケティングには4つのPがあります。Product、Place、Price、Promotionです。
この中で、売上や利益を決める重要な要素でありながら、あまり重視されてこな
かったのがPriceです。

勿論、価格そのものにはどの企業も非常に敏感です。しかし、価格設定の方法である
プライシングとなると、それを科学的、あるいは理論的に取り組んでいる事例という
のは決して多くはありません。以前から決まっている(慣例価格)、原価+利益(コ
ストプラス)、ライバル企業と比較して(競合他社比較)で感覚的に価格設定して
いることが多いのではないでしょうか。

プライシングの醍醐味を最も体感できるのが、ホテルや飛行機です。ホテルは、昨晩
の空室を在庫しておいて今晩のお客様に売ることはできませんし、飛行機も搭乗時間
が過ぎれば空席の価値はゼロになります。

一方、お客様が一人増えてもコストはほとんど増えません。ということは、どんなに
安くてもお客様を増やすことさえ出来れば、売上増加分はそのまま利益に直結すると
いうことになります。このようなコスト構造ゆえに、ホテルや航空会社は、稼働率を
高めるためにプライシングに様々な工夫を凝らしています。

航空会社の場合は、『早割り』で早期予約者の価格を安くすることによって早めに
ある程度の稼働率を確保することに努めています。加えて、早割りではキャンセル料
や変更の手数料をやや高めに設定することで変更し難くしています。

ホテルの場合は、逆に当日の空室を、インターネットなどを通じて安く売ることで
稼働率を高めようとしています。全てのお客様が安くなるのを待って当日予約するか
というと、宿泊先を確定させておきたい、あるいは当日になって空室がないという
リスクを取りたくないなどの理由で、従来どおり早めに予約するお客様が圧倒的多数
です。

ホテルや航空会社は、ある期限を過ぎると商品の価値がなくなるというコスト構造
であるがゆえに大胆なプライシング戦略を取り易い業態ですが、他の業態でもプラ
イシングに工夫の余地はあるはずです。結果である価格に右往左往する前に、もう
一度プライシング戦略を見直してみてはいかがでしょうか。

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