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第32話(2007/5/24発行)
第32話 リスクマネジメント
愛知県長久手町の立てこもり事件で、若いSAT隊員が殉職しました。残され
た奥様とお子さんのことを思うと言葉もありません。心よりご冥福をお祈り
いたします。
この事件を題材にするのは心苦しいのですが、犯人逮捕後に明らかになった
ニュースの中に、弱いと言われる日本の自衛隊や警察のリスクマネジメント
を浮き彫りにする情報がありましたので、敢えて書かせて頂きます。
最初に撃たれて玄関先に倒れていた警官の容態が悪化してきたので、犯人に
気付かれないように救出に向かった際、結局犯人に気付かれてしまい、犯人
が乱射した銃弾に倒れたのが今回殉職された方でした。
昨日のニュースによると、犯人は飼い犬が吠えたので警察の救出活動に気付
いたとのことでした。私が見聞きしたニュースの中では、そのことをもって
警察を責めるニュースはありませんでしたが、現場の詳しい状況は分らない
ものの、ここに明らかなミスがあったように思います。
救出活動の前に飼い犬を麻酔銃で眠らせる、あるいは捕獲しておくなどの方
法は採れたはずです。警官隊が近付けば犬は吠える、犬が吠えれば犯人は気
付くという因果関係はさほど連想が難しいわけではありません。
リスクマネジメントは、このような事件だけではなく、身近な場面にいくら
でも存在します。要は、将来起こり得るリスクシナリオをいかに多く想定で
きるかがリスクマネジメントの入口です。今回は、この部分が十分でなかっ
たように感じます。
リスクシナリオを想起したら、それぞれのシナリオに関して、
予想リスク =(発生確率)×(発生時の影響の大きさ)
を検討します。そして、その『発生確率』または『発生時の影響の大きさ』
をゼロまたは小さくできる手法を検討し、それでも残るリスクに対しては保
険等でヘッジすることを検討します。いずれの場合も、費用はかかりますの
で、予想リスクとのバランスで判断することになります。
今回、貴重な人命が犠牲になった痛ましい事件でしたが、警察だけでなく私
達もこの事件の教訓から学ばせて頂きたいと思います。
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