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第9話(2006/08/04発行)
第9話 退職挨拶
退職挨拶に際しては、当然のように『立つ鳥、後を濁さず』が基本になります。
私は、退職挨拶では一つ失敗しました。
退職する1ヶ月ほど前、その時点ではまだ退職挨拶を始めていませんでしたが、
その頃にあるお客様からお電話がありました。そのお客様は、大手企業でしたが、
得意先ではなく、これから開拓していこうとしていた先の一つでした。
そのとき、そのお客様は私の名前の漢字を読み間違えていました。私は、三田と
書いて『みた』ではなく『さんだ』と読む、ちょっと変わった苗字です。その
お客様は、私が訂正するタイミングを逸したこともあり、その電話では最後まで
『みた』さんと私を呼んでいました。
全く知らない中でもないのに少しがっかりし、このお客様にとっては私はその程度
だったのかと思ったので、また受注可能性が薄いとの判断もあり、結局、その
お客様には挨拶せずに退職しました。
しかし、私の退職後に、そのお客様から仕事を依頼したいと私宛に電話があった
そうです。挨拶なしに退職した私と会社に対して、多少の不信感を持たれたようで、
それが皮肉な表現となって表れていたと後から元同僚から聞きました。幸いにして、
仕事は受注できたようです。
私が、そのお客様を自分の所属していた会社の視点で判断せず、私情を交えて
退職挨拶の判断をしていたことに間違いがあったことに、この事があってから
気付きました。私情を交えて、『あのお客様は、仕事はなかったけど気が合った
ので』と多くの方に挨拶するのは問題ありませんが、逆に私情を交えて挨拶しな
ければならないお客様への挨拶を怠ることはあってはなりません。
退職後、同業界で独立する場合は、どこで顔を合わせるか分からないし、どこで
ご縁があるか分からないので、きっと広めに退職挨拶するでしょう。しかし、
異業種で独立する場合は、ついつい挨拶を必要最小限に留めようとするあまり、
おろそかになってしまうかもしれません。
退職挨拶は、『立つ鳥、後を濁さず』と『会社視点』がポイントです。
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