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アーリー・バードトップ >情報データーバンク > 経営・ビジネス > 書評『エスキモーが氷を買うとき』 書評『エスキモーが氷を買うとき』書名 『エスキモーが氷を買うとき』 この本は、ご存知の方もあるかもしれませんが、『エスキモーに氷を売る』と同じ著者ジョン・スポールストラが第二弾として書いた、一言で言うと奇跡のマーケティングに関する書籍です。奇跡のマーケティングという言葉は、教科書通りの無難なマーケティングの対極をなす概念として用いられています。 奇跡のマーケティングとは、目的を明確化し、その目的を達成するためにどうすべきかを教科書や常識にとらわれずに考えることです。ここで言う目的は非常にシンプルで、『急激に売上を伸ばす』、『業界の中で最高のマーケティング部門になる』、『会社の中で最優秀の部署になる』、『リーグ戦で優勝する』など挑戦的な内容になります。 このような挑戦的な目的を成し遂げるためには、通常、多大な経営資源を必要とします。それが資金の場合もありますし、人材の場合もあります。一見無理そうに思える目的を、ひとたび真剣に成し遂げようと考え出すと、多大な経営資源を投入しなければならないだけに中途半端な事業計画では経営資源投入を決定できません。こうして非常に深く事業計画を考えるようになります。 この本はマーケティングに関する書籍なので、マーケティング、特に広告に関して多くの紙幅を割いています。広告の目的は2つあり、1つはアイデンティティーを構築するためのイメージ広告、もう1つはその場の売り込みに直結する需要喚起型広告です。このように広告を2つに分けて、その効果を『到達範囲』と『頻度』という2つの指標で計測・把握しようとするのが教科書マーケティングです。計測・把握というと格好いいですが、要は直接的な効果が計測し難いと言われている広告効果をこの2つの指標でごまかして言い訳にしているのが現状ではないでしょうか。 奇跡のマーケティングでは、イメージ広告と需要喚起型広告を区別しません。それらを区別できるのは広告予算が豊富にある一握りの大企業だけですので、正確に言うと区別している余裕がありません。そして、その一体型広告の効果を『レシオ』と著者が呼んでいる指標で把握します。レシオは非常にシンプルで、(広告による売上増)/(広告コスト)で表わされます。著者は4倍を目安としており、4倍を下回ったら広告の企画自体を見直すことにしています。このレシオ4倍を言い換えると売上高広告宣伝費比率25%となり、一見かなり高い比率に見えますが、粗利率が25%を大きく上回っている商品であれば、十分に採算は合います。また、必ずしも著者が選択している4倍に拘る必要はないので、自社に適したレシオを目標とすれば良いのではないかと思います。
February 20, 2007 07:59 PM |